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Vol.27 広島市 広島ピースツーリズム
平和に思いを巡らせる「広島ピースツーリズム」

原爆ドーム

 

広島市が旅行者などにスマートフォンを使って原爆ドームや平和記念公園などを巡るルートを紹介するWEBサイト「広島ピースツーリズム」を開設したと聞いて、コロンビア出身の友達シャロンと一緒に実際にそのルートを巡ってきました。シャロンと原爆ドーム前の電停で待ち合わせて、さあ出発!

バス停

ふたりとも広島に住んでいながら、じっくりと巡るのは、実ははじめての体験。歴史を学びながら、平和について考えてみるいい機会かも。

原爆ドーム

時代を超えて核兵器の廃絶と平和の大切さを世界に発信する役割を担う「原爆ドーム」。西側から見上げると、剥きでた鉄骨と崩れかけたコンクリートに原爆の恐ろしさ、悲惨さがひしひしと伝わってくる。
元々は広島県物産陳列館として建設された建物。特徴のあるドームが印象的。チェコ人の建築家ヤン・レツル氏の設計とのこと。当時はハイカラな建物だったんだろうなと思う。

スマホ

多くの観光客が見上げている原爆ドームの北側に、青いピースツーリズムの看板を見つけた。さっそくスマートフォンを取り出してかざしてみると、ドーム内部をARで見られて、ルートを巡るために必要な情報もたくさん出てくる。

AR

中から上を見上げるのは初めてだったけど、その迫力に驚き!

ドーム内部

ARで実際に見られる映像。ドームの中に入っているような感覚で360度見渡すことができる。

原爆ドーム

小さなころから何度か来てはいるけど、大人になってから来ると、やはり思いが違う。

原爆ドーム

原爆ドームを後にして、西に向かい相生橋を渡る。ちょうど中間辺りに来た時、原爆ドームを眺めつつシャロンと一緒に戦争と平和についてしばし語り合う。ゆっくり流れる元安川に時間の流れもゆったりと進むよう。
橋を渡って左に曲がり、元安川沿いを南へ歩いていくと、子どもたちの賑やかな声が聞こえてくる。

本川小学校

ここは今も小学校として多くの生徒たちが通っている本川小学校。爆心地から最も近いところにあったこの小学校には、被爆校舎の一部と地下室が今も被爆の証として保存されている。

受付

校門を入って、まずは事務室で受付をすまし左奥の平和資料館へ進む。

平和資料館

原爆の被害を受けた状態をそのまま残した平和資料館の建物。もちろん中に入ることができる。

1F

1Fには、被爆の実相を伝えるいろいろ展示物や当時の記録写真などが飾られている。

平和資料館

昭和20年(1945年)8月6日午前8時15分。原子爆弾投下。

模型

地下に降りると、当時の町が模型で再現されていた。真ん中の赤い球が原爆。本川小学校の吉岡校長先生が熱心に説明してくれて心を打たれた。

原爆によってたくさんの命が一瞬にして奪われた。戦争の悲惨さを忘れずに、平和への想いを大切に、私たちが今できることを考えていかなければならないと思った。そんなことをシャロンと話しながら、本川小学校をあとにして平和記念公園に向かった。公園の緑の木々の中を横切る道路を歩きながら、原爆死没者慰霊碑に着くと、多くの観光客が入れ替わり立ち代り、参拝している。

平和記念公園

慰霊碑からは原爆ドームが一直線に見える。順番を待って原爆慰霊碑の前で手を合わせて祈る。

原爆の子の像

たくさんの千羽鶴が飾られている原爆の子の像。

平和の鐘

平和の鐘を鳴らした。原爆の犠牲になったすべての子ども達に届くようにと。

カフェ・ポンテ

ずっと歩き続けていたので、平和記念公園の近く、元安橋のたもとにあるカフェ・ポンテでひと休み。新鮮なオレンジジュースを飲みながら、ふと、お互いの未来についての話で盛り上がる。

島内科医院

元安橋を渡って、少し北に向かうと、さっき本川小学校の地下で見た模型の爆心地に着く。島内科医院。多くの人々が一瞬でその命を失った場所。

旧日本銀行広島支店

爆心地の島内科医院から、今度は街中を東西に伸びる賑やかな本通商店街を横切り、路面電車沿いを5分ほど歩くと、旧日本銀行広島支店にたどり着く。
ここは爆心地付近の建物の多くが崩壊したにもかかわらず、銀行の堅牢な構造で倒壊を免れました。1Fは現在フリースペースになっていて、この日もカラフルな写真展があって、多くの人で賑わっていました。

支店長室

2Fの支店長室。被爆前の写真や図面が展示されています。

床

床の寄木貼りは当時のまま残っている貴重なもの。

金庫室

地下の金庫室。扉の厚みにびっくり!ここにいっぱいお金が入っていたのかな。残念ながら今はありません。

谷本さん

文化振興課の谷本さんから丁寧な説明を受けて、当時の様子がよくわかった。

鶴

天窓の光に向って、多くの鶴が飛んでいた。

袋町小学校

旧日本銀行広島支店の目と鼻の先にあるのが、「袋町小学校平和資料館」。

外国人

ここにも多くの外国人が訪れていた。

伝言板

木造校舎はすべて全焼。唯一残った鉄筋コンクリートの西校舎の壁は、消息を知らせる「伝言板」になったそう。今もその伝言を読むことができる。当時、みんなにきちんと伝わったのか、心が痛む。

おりづるタワー

そして最後に回ったのが、原爆ドームの東隣に建つ「おりづるタワー」。2016年にできたここは、広島の新たな観光名所として国内外からたくさんの人が訪れ賑わっている。

ひろしまの丘

なんといっても一番の見どころは屋上展望台「ひろしまの丘」。一度は登ってみたい場所(入場料大人1700円)。ウッドデッキからは、平和記念公園や原爆ドーム、晴れた日には宮島の弥山までと、2つの世界遺産が一望できる。

おりづるの壁

おりづるの壁。シースルーの床にドキドキしながら、思いを込めて折ったおりづるを投入(+100円)。

CUBE

体感型コンテンツ「CUBE」でエアーおりづる作りに挑戦!

原爆ドーム

今回私たちは、被爆構造物を回るコースを巡ったのですが、いろんな発見や勉強にもなって、これからの未来にこの経験を生かせるようになったらいいなと思いました。カフェでお茶しながらで約3時間。あっという間でした。広島ピースツーリズムは他にも「被爆前後の文化・文学を巡るルート」「市民生活の復興を巡るルート」などもあるので、興味を持った方はぜひ巡ってみてください。今回のレポートが少しでも参考になれば幸いです。

(2019年2月取材)

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